5月12日入梅

天気予報は「曇りのち晴れ」

 天気予報では前日の11日の方が悪かったので、5月はこの日を選んだ。しかし、今年のGWに沖縄でダイビングを した人はラッキーだ。ここ数年GWがほぼ全日好天なんてそうなかったからだ。もっとも今年は2月3月も例年になく 非常によかった。さて今日の予報はどうだったか?

 12日朝7時、雨の音で目がさめる。久しぶりに聞く土砂降りの雨音だ。「あちゃー。大ハズレだぁ。」 しかし、予定表からいって今日を逃すとよゆうがないなぁ。まあ雨でもダイビングはできるからなぁ。 時々、聞く質問に「雨でもできますか」というのがあるが、もちろんダイビングは雨が降っても、雪が降っても 潜るのは可能だ。海の中はかわらない。もっとも沖縄では雪は降らないが・・・

 今から15年ほど前、僕は神奈川県にいて伊豆でよくダイビングをしていた。 当時はビーチで潜るのがほとんどで、ショップやガイドは通さず、ダイビング仲間20名ほどが、 毎週声を掛け合っては、数名で潜りに行ったものだ。そのグループの中心にいたK氏は心底海が好きな人で ほとんど毎週のように参加していた。ある週末僕は彼とダイビングを約束していたのだが・・・

 目を覚ますと、今日よりひどい土砂降り。「今日は中止だな」と思っていると、ドアを叩く音、 出て行くとK氏がニッコニッコ顔で立っていた。「さぁ行きましょう」雨の話は一言もなし。 彼には、雨などまったく問題ではないのだ。 たしかに雨でもダイビングはできるが、水中は暗いし、寒いし、やっぱり僕は、晴れていたほうがいいなぁ。 まぁ、彼のおかげで、雪の日のダイビングもできたのはいい経験ではあったかも知れない。でもやっぱり寒かった。

 ちょうどこの日の前日に、梅雨入り宣言が発表。沖縄では入梅しても、晴天が続くことがある。内地のように ずっと雨の日が続くことは少ないのだ。逆にこの時期の梅雨の晴れ間などは実にいいコンディションになる。 入梅した11日は最高の天気だったのだ。海も静かだったので、トロピコツアーは実はケラマではなく粟国島へ 行ったのだ。「藤井さん昨日くれば良かったのに、あんまりいいんで粟国行っちゃったよー」粟国といえば 数千匹のギンガメアジが群れをつくるビッグポイント、行きたかったなぁ。

 家を出るころには雨も小雨から曇りに変わり、多少は回復へ向かいそうな兆し。8時半の出港に合わせ港に向かう。 ちょうど7時ごろ前線が通過したようだ。5月も半ばを迎えるこの時期服装はTシャツ一枚で十分なのだが、 今日のように雨が降る日はパーカーかジャンパーなど上着を用意したほうがいい。見るとスタッフも全員上着を着ている。 今日は荒れるだろうな。気分的にはかなりローレベル。昨日もちょっとばかり飲み過ぎだったしなぁ。 そしてもうひとつ今日の風は北風なのだ。冬場は北風で、これが夏は反対の南風となる。当然だが北風は冷たく、 南風は暖かい。風の向きで同じケラマに向かうにも航路がかなり変わるのだ。

 地図を見てもらえば分かるだろうか、ケラマと那覇の間には、チービシという無人島がある。風向きによって この島のどちらを通るかを決めるのだ。今日はもちろん南周り、ケラマの南側久場島にむかう。 そろそろ、ケラマ諸島内に入ったようだが、海は一向に落ち着かない。腰をあげて船の向かう先を見る。 なんとその先は真っ白でなにも見えない。まいったな。


サラサゴンベ ハマクマノミ
サラサゴンベ ハマクマノミ


 ここでちょっと余談になるが、南風と書いて「はえ」と読むのをご存知だろうか。沖縄の方言なのだが、東は「あがり」 西は「いり」と読む。これはもちろん太陽があがる方向と入るほうこうだ。では北は?なんと「にし」と読むのだ。那覇の北部に西原という地域があるのだが、その昔は北原と書いて「にしはら」と読んだか、 あるいは、漢字はあとで発音に合わせて西原としたらしい。沖縄の漢字は実に難解でおもしろい。 次の漢字が、全部読めたらかなりの沖縄通!!

安里 北谷 金武 安波茶 仲村渠
兼城 漫湖 恩納 喜屋武 真玉橋

 さてさて、今日の1本目は、久場島の南キャニオン。天気は悪くても海の中はいつも水だ。さあ行くか。 「ここは地形を楽しむポイント。魚はいません。」 ガイドの山エミがきっぱりと言い放った。いくらなんでも少しくらいはいるだろう。 「ハナゴンべがいます。」といって絵を描いて見せた。「だいたい魚はみんなこんな形や」 「これ金魚ちゃいまんの?」お客さんがいろいろと突っ込むが、まったく引かない。 ならば、ぜひ見ようと、海へダブンダブンと飛び込んだ。

 沖縄の場合、魚がいないというのは、大物やちょっと珍しい魚がいないという意味で、 おなじみの、チョウチョウウオや、ハゼ、べラ、スズメダイなどは大概どこにでもいるもんだ。 ここもエントリーした浅いところにはサンゴがありたくさんの魚たちが見られる。 この岩棚を少しずつ降りていくと。クレパスのように岩の裂け目があちこちに現れる。山エミの後を 追ってフィンをあおるとやがて洞窟の入り口が現れた。洞窟といっても、完全なトンネルではなく 上部はいくつも穴があいていて光りが差し込んでいる。夏の強烈な太陽光が差し込んだら、 最高の情景だろうな。でも今日は、なんとなくヘロヘロと差し込む程度。やっぱり天気しだいだなぁ。

 洞窟は結構長くて途中で分かれ道も有り、ダイバー一人がやっと通れるほどの穴もある。 こういった狭いところでは、つい背中の感覚が難しい行けると思っても、タンクのバルブのところが 天井にかかり先に進めなくなったりするので気をつけよう。もう一つゲージやオクトパスは、 左手で押さえておけば引っ掛けにくいが、引っ掛けるとちょっと驚いてしまうのが、レギのホースだ。 右の岩壁により過ぎると、ホースが飛び出した岩に引っかかる。へたをすると口からレギが外れてしまうのだ。 これは焦るね。

 洞窟のお魚といえばマツカサとハタンポ。洞窟の中は当然暗いので水中ライトは必携だが、 僕は今回も忘れてしまった。水中ライトはいつも用意しておいた方がいい。 ところで、僕の洞窟での楽しみのひとつは、出口付近に戯れる魚達のシルエットだ。 これは水中ライトなしで楽しめる。暗い洞窟から明るい水中を望むときに、 この魚が舞い踊る姿は実に楽しく美しい。でも写真に撮るのが実に難しいんだこれが。

 2つ目の洞窟はちょうど一人が入れるくらいの小さな入り口。足から入るか、頭から入るか。迷うところだ。 僕のお勧めは頭から、中が真っ暗だとちょっとスリルがある。でもここはあちこち穴だらけなので、不安はない。 この洞窟は、広くなったり狭くなったり、なかなか楽しい。ちょっとした冒険気分。 で、一体いつハナゴンベが見られるんだ?!と思っていたらボートの下に戻っていた。

ハナゴンベは非常に警戒心の強い魚で、すぐに逃げてしまう。かなり注意深く見て行かなければ会えないのだろう。


サザナミヤッコ マツカサ
サザナミヤッコ マツカサ


 2本目は、船をわずかに移動してドリフトダイビング。ポイント名はグランブルー。 バルさんの掛け声でいっせいに海に飛び込む。これがちょっとした緊張感があって楽しい。 海に入るとすぐに潜行、見上げるとボートのスクリューが回転しているのが見える。 これはなかなか怖い情景だ。頭を下にさらに潜行する。

 ここも地形が楽しいポイントだ。30メートルを越す水底と見上げる絶壁。 その壁にはソフトコーラルやイソバナが咲き乱れる。 左手は蒼一色のグランブルー。水面の輝きが1本目より増している。太陽が光りの筋になって水底へ届く。 どんなに透明度が良くても、水底が100m以上あったらなにも見えない。透明度20mも100mも違いがないのだが そこに太陽光が差し込むと、深さが実感できる。20mの頭上から銀色のまっすぐな光りの束が足元のずっと 先まで、見えなくなるまで伸びていく。この情景の美しさはまさに筆舌だ。

 どうやら、天候が回復してきたらしい。水中の明るさが少しずつ増している。 水面を見上げると明らかに太陽の形が分かってきた。 カメラをマニュアルで使っていると春から夏にかけて、 だんだとシャッタースピードや絞りに余裕が出てくるので、その明るさが実感できる。

  わずかな流れに乗ってのんびりと水中を楽しんだ。 エントリーして10分山エミが岩肌に何かを見つけたようだ。「なんだろう?」そばによってもすぐには 気がつかなかった。イザリウオだ。ゆうに30cmを越す大形のオオモンイザリウオだ。色はグレーがかったベージュ といったところか、ほとんどソフトコーラルと見分けがつかない。この魚はほんとにいろんな色の固体があって ほんとに同じ魚かと思わせる。伊豆半島以南ならさまざまな場所で見られるようだ。

壁に沿って進んでいくと山エミがなにやら指差している。その先を見ると「カメだ!」 体長およそ1メートルの若いカメがのんびりと泳いでいる。ここはカメの多いポイントらしく このダイビングで4体のカメに出会った。カメは意外と近くで見ることができるが その力は猛烈に強い、つかまろうとすれば可能ではあるが、お勧めはできない。 また、交尾期のカメは場合によってはかなり危険だ。僕の友人も一度カメに襲われたらしい。

 このポイントでは、ゴマモンガラもよく現れた。ゴマモンガラは強力な嘴で、サンゴや岩を バリバリと砕いて餌をあさっていた。この魚も人に対して恐れを持たないのか人に向かってくる 固体もあるようだ。ただ今回ははるか30mの水底を泳いでいただけ、僕に向かってくることはなかった。 その他、あまり話題に上がらないが僕の好みとしてはタテジマキンチャクダイ・サザナミヤッコなんかも いてなかなか楽しい。

 40分ほどで、二本目も終了。みんなで安全停止をしながら水中を眺める。ドリフトの終わりの 水中停止も、太陽光が差し込む水中を眺めながらのんびりと楽しむ。しかし、水面にでて、 気がついた。どうやらBCに穴があいているらしい。右肩の部分でシューシュー音がしている。 まいったなぁ。このBCは気に入っているのになぁ。でももう10年以上になるからなぁ。 「あ、すこし沈んできた。太田丼早くこいよぉー」


カメ モンガラカワハギ
カメ モンガラカワハギ


 気がつくと夏だった。午前中の真っ白な空はどこへ行ってしまったのか。見渡す限りの青い空。 海はわずかにサワサワと波打つ程度、真上には強烈な光線を放つ太陽。午前中とはまるで別世界だ。 沖縄のすばらしさはこれに尽きるように思う。ここで、これから沖縄に来る人にひとつアドバイスがある。それは、 「黒いTシャツは絶対止めたほうがいい」ということだ。 僕は今日は、黒いTシャツを着ていたのだ。それは天候を考えてのことだった。ここまで劇的に天候が 回復するとは思ってもみなかった。黒いTシャツは太陽光を集め裸でいるより熱いのだ。 暑いのではなく熱いのだ。ほとんど痛いに近いような感覚。いまさらながら恐るべし沖縄の太陽。

 いやはや、2本潜ったし、昼飯も食ったし、今日も昼寝だなぁ!と横になったもののあまりの暑さ。 二階では、マル焦げになりそうなので日陰に避難。こんなときはやっぱり両舷の壁がありがたいね。 再び黄金のうたた寝と洒落込んだ。今日も海よありがとう。



残念ながら今回も、このダイビングで撮影した写真ではありません。 実はハウジングの調子が悪くて入院になりそうです。

漢字クイズの答えです。いずれも実存する沖縄の地名で、内9個はパソコンの変換で出せます。
(ただし、Windows IME98以上で変換モードを名前/地名にした場合)

安里 あさと 北谷 ちゃたん 金武 きん 安波茶 あはちゃ 仲村渠 なかんだかり
兼城 かねぐすく 漫湖 *** 恩納 おんな 喜屋武 きゃん 真玉橋 まだんばし

文・写真 流離のナイチャーダイバーF
写真 トロピコスタッフ


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