伊是名・伊平屋レポート

 伊是名・伊平屋島ツアー行ってきました。第1回が台風で中止になってしまったので、かなりショックだったのですが、第2回はベストコンディションに恵まれました。1回参加予定のみなさん、申し訳ありません。7月初旬は一番良いはずなんです。



 「スーカブヤー」これがポイント名、漢字で書くと「潮被岩」、「しおかぶりいわ」が沖縄発音で「スーカブヤー」となる。名前からイメージが湧くだろうか。常に潮を被ってしまう小さな岩が海上に姿を現しているのだ。

 7月初旬、沖縄の海上は台風の影響で大きなうねりがある。かつてより計画していた伊是名・伊平屋ツアーはあえなく中止となった。慶良間の海に飽きたわけではないのだが、こと新しいダイビングポイントの話が出ると、とにかく行きたくてたまらなくなるのは僕だけではないだろう。
 第2回のツアーは突然前日の夜に連絡が入った。
 「明日の伊是名・伊平屋、急遽行くことになりました」
 なんと、まぁいつものことだ。


 出港は8時20分、海はうねりも収まりベタ凪の状態、空も果てしなく青い。伊是名島までおよそ100kmほど、地理的には与論島と同じくらいの緯度だ。
 トロピコ2号は港を出ると沖縄本島沿いに北へ向かう、慶良間への航行とはまるで景色の違う海、右手の陸地がなんとも美しい。1時間ほどで伊江島が目前に見えてくる。やがて伊江島と本部半島の間を抜け、伊是名島を目指す。ここからは本島を離れるので360度が海だ。
 二島は北側が伊平屋島、南側が伊是名島、目指すダイビングポイントは伊平屋島の北端、「スーカブヤー」のみ!もちろん島には多くのダイビングポイントがあるのだが、地図を見るとわかるように、ここは北からの潮が激流となってぶち当たる、大物狙いのビッグポイントなのだ。


 魚というのはあたりまえのことだが、いつも同じところにいるわけではない。例えば慶良間のトムモーヤは大物が溢れ返るほど現れることがあるかと思えば、まったくなん〜んにもいないことがある。ダイバーの方はお分かりと思うが、当然潮の満ち引きと、密接な関係を持っているのである。
 基本的には、満潮干潮の時間があり、それに伴って上潮、下潮の流れが発生する。潮は岩にぶつかりプランクトンが舞い上がり、それを追ってキビナゴなどが集まってくる。さらにそれを狙って大物が集まってくるというしくみだ。
 さらに、大潮では干満の差が激しいので、当然流れも強くなる。根の形状も重要だ。垂直に切り立った根は、流れを直に受けるので水中は大変なことになる。
 こういった要素を検討し、ダイビングポイントは選ばれているだ。しかし、それでも海は生物のようだ。カレンダーに書いてある満潮時間がいつもぴったり合うわけではない。





 伊是名・伊平屋島は美しい島だ。近づくにつれて意外なほどの大きさと、緑に覆われた山、白く輝く砂浜がはっきりと見えてくる。抜けるような青空と深い海の青、白い雲とビーチ、そして美しい緑の丘。この景色を見に来るだけでも、十分価値がある。

 10時23分、「スーカブヤー」到着。直径3mほどの岩が水面に姿を見せている。砕ける白波すら感動的だ。
 「さぁ、行くぞ!」
 船を岩によせると、バルさんがフィンとマスクを着け、舷から海に飛び込む。
 「うわぁ・・・●×?$#□・・・」
 いきなりなにか叫んでいる!
 「なに、なに??なんか叫んでるけど・・・」
 驚いているのはわかるが、何を言っているのかはわからない。期待が膨らむばかりだ。

 船をすぐさま岩から離す、流れているのであまり岩に近づくのは危険なのだ。バルさんの姿を目で追うが、あっという間に消えてしまった。
 「あれ、バルさんどこ?」
 「あっ、あっちだ」
 こうして何度か、場所を変えポイントを検討、11時ついにその時がやってきた。  エントリーは全員同時に後ろから、ジャイアントで海に飛び込む。
 「さん!にい!いち!」緊張感が走る。飛び込むと水底がすぐに見えた。水深15mほどか、いきなりウメイロモドキの群が現れる潜行するにつれて、水流を感じ始めた。このままだと沖へ持っていかれそうだ。ヘッドファーストで水底に着地、すぐに岩につかまった。
 エントリーの前、グラブをするように言われた。僕はほとんどグラブをすることがないのだが、常にBCのポケットに入れてはある。今回もそのつもりだったのだが、見るとバルさんもエントリー前にグラブをしているじゃないか!慌ててポケットからグラブを取り出したのだ。


 水中の形状はかなり複雑だ。その分流れも複雑になる。意外と穏やかなところもあるかと思えば、まさに洗濯機の中!といったところもある。自分や仲間のはいたエアーが下向きに流れ、横を抜け、上がったかと思えばまた下がってくる。まるで、炭酸ソータの中にいるみたいだ。危険性もあるのだが、怖いという感じより感動的な美しさなのだ。





 水中で最も印象的だったのは、大物でも激流でもなかった、それは水中の雰囲気だ。たまたまポイントが、北端だったせいもあるのだが、慶良間の海とはまるで違う。水底の岩には10cmほどの緑の海草がびっしりと生えている様に見えた。ところがこれが海草ではないだ。実はすべてウミシダ、一面がウミシダ畑なのだ。
 通常、慶良間で見られる15cm以上のカラフルなウミシダとは違い、ほとんど緑色で5cm程度、びっしりと水底をうめているのだが、中には自分の場所を探しているのか、水中を泳いでいるウミシダも多く見られる。

 そして魚たち、なんと言ってもキンギョハナダイの数が半端ではない、先日慶良間で見た群の2倍はありそうな密度だ。そして、「ニモ」に出てくるナンヨウハギ、男岩などではちょこちょこ見られるのだが、ここでは大群!鮮やかな色とあいまって美しいこと。
 地味なのであまり人気がない魚「アカモンガラ」、これがまたとんでもない群を作って泳いでいる。チョウチョウウオは慶良間でも珍しくはないのだが、これもまた群になっているのだ。「○○チョウチョウウオ」ではなく和名「チョウチョウウオ」一種が群になっているので見ごたえがある。

 おもしろいことに慶良間ならどこにでもいるクマノミがまったくいなかった。やはりここは慶良間とはずいぶん違いのある生態系なのだろう。
 「トンでもない激流で、生きて帰れないかも知れない」とまで聞いていたのだが、幸い流れはかなりあるものの、いいあんばいといったところだ。40分ほどのダイビングを終え船にもどった。
 その後も多少場所を変え、初日3本すべて「スーカブヤー」で潜った。


 まだ明るいうちに伊是名島に入港、静かな静かな島だ。空気が澄み渡っているせいか、低い山々の緑が驚くほど美しい、夕食を済ませ船の中でログ付けと酒宴。
居酒屋でもあるだろうと思っていたのだが、少々あまかった。それでも山本さんが一軒のすし屋を発見、中に入り尋ねてみた。
 「すみません、何時にお店あきますかぁ」
 「夕方」
 すでに5時を回っているのだが、まだ夕方じゃないのかぁ?
 「夕方って言うのは、何時ごろですかねぇ」
 「夕方」
 なんだ、このオヤジは・・・
 「暗くなったころですかねぇ」
 「そうだな」
 暗くなるのは8時だぞ・・・、まぁ、なんとも沖縄だ。

 10時を回り、僕は山本さんとそのすし屋を訪ねてみた、思ったより愛想のいい大将とおかみさんが迎えてくれた。おなかはいっぱいだったのだが、地元の魚介類を食べてみたかったので、何品か注文する。話をしてみると良い感じの人じゃないか、カウンターにいたお客さんとも話しが弾む。
 寿司ねたはほとんどが、地元のもので大将が自分で取ってくるのだという。まずいわけがない。貝やモズクも格別のうまさだ。




 翌日、変わらぬ素晴らしいコンディションだ。再び「スーカブヤー」に向かう。4本目になると、かなりなれてくるものだ。イソマグロやツムブリ、ギンガメアジやカスミアジ、テングハギモドキやバラクーダなんかもあらわれた。

 慶良間でももちろん見ることができるのではあるが、新鮮な感じもする。驚いたのはナポレオンの多さだ。慶良間でもたまに見ることができるが、ここのナポレオンはまた一味違う。群ではないのだろうが複数で見ることができる。3匹、5匹と同時に現れてくるのには驚きだ。

 残念ながら、超巨大ギンガメ玉・数百匹のイソマグロ軍団なんてとんでもないことにはならなかったけれども、ここならそんな可能性もあるんだろうなぁ。エギジット寸前に足元に現れたギンガメの群はそんな印象も与えてくれた。

 同じポイントで6本のダイビングを楽しみ午後3時前、那覇に向かって出発。ベタ凪の海を船は再び全速全開、風波はまったくないのだが、南からのうねりが多少入っている。
 バルさんもゲストもさすがに疲れてお休みモードだ。那覇までの2時間、穏やかな海では船長も少々退屈気味、やがて伊江島が大きくなり、沖縄本島沿いに船は白波を立てる。こうしてみると沖縄の島々は本当に美しい。また、近々新しい海にチャレンジしたいものだ。



 僕は慶良間の海がすごく好きなので、何度潜ってもいいところは良いし、季節や色々な状況で海というのは変化するものですからそう飽きるということはありません。
 それでも、初めての海というのは、本当に楽しいものです。そうあのダイビングを始めた頃の感動がよみがえる気がするんですね。



文・写真 流離のナイチャーダイバーF


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