5月 ダイビングアドベンチャー

 あ――――っと言う間に5月まで終わってしまった!あちゃ、昨年も掲載は5月からだったので、まぁいいだろう、「4月までは充電期間だぁ」なんて考えていたら、充電どころかすっかり放電してしまったような頭になってしまった。なんと言っても5月になって入梅したら、もう暑いのなんの!「待ってくれ!まだ体がぜんぜん慣れてないのに、こんなになってしまったら、脳みそが溶ける・・・」ってな感じ・・・。もはやエアコンなしでは生きていけない。
 さて今年のシリーズはいったい何か?テーマは「ドキュメンタリー」!一切の脚色や作り話を排除し、真実のみを皆さんにお伝えします!・・・ってホントかよ・・・??


 5月某日久しぶりのダイビング、今回は久しぶりの粟国。梅雨に入り好天が続いている。梅雨の初期は大体好天が続くのだ。しかし、今年は度が過ぎる6月に入ってもこの天気だ。それはおいといて、元気に粟国ツアーに参加した。

 那覇から粟国までは、海上保安庁許可第042515号の「ヨット・モーターボート用参考図」によると、35マイルつまり64.82km、これを1時間20分で走りきったので、平均の速さは26.25ノット、時速にすると48.6kmだ。速い。
 ホエールウォッチングで海に出ていた時、船に乗っていた人が「この船速いですね。80kmくらい出ているんですか?」と尋ねてきたのだが、実際、船のスピード感は自動車の1.5倍から2倍くらいではないだろうか。事実その時の速さは40km程度だ。

 速いといえば思い出すのが北朝鮮の工作船、調べてびっくり!!50ノット以上!とあるではないか!!50ノットは時速92kmだぞ。1億円くらいしそうな豪華スピードクルーザーでさえ40ノットのスピードだ。まして大型船なんてそれほどスピードが出るわけではない。よく調べると33ノットと書いてあるところもあった。こっちが正しいだろうな。
 ちなみに、競艇のボートが時速80km(43ノット)、海上自衛隊のゾディアックが64km(34ノット)ほど、大型船になると25km(13ノット)程度が普通だ。巨大になればなるほどそうスピードは出せないようだ。

 以上のことからトロピコ号のスピードは、やはりかなり速い部類に入る。実際今でもトロピコ1号は30ノットを楽に出せるし、回航時には35ノットを記録しているのだ。もし、山本船長の操る船に乗ることができればオーバー30の世界を体感できるだろう。




 でもって粟国の海はどうだったかと言えば、それはもうすごい!!いきなりギンガメアジが出てきたのはもちろんだが、イソマグロがすごい。その数が半端ではないのだ。まさに群だ。慶良間でもイソマグロの群は見ることができるのだが、慶良間のイソマグロは間隔が1m、ここでは30cmだ。びっしり固まって大量に現れる!
 そして僕の好きなカスミアジ、慶良間では出るとすげ――って見ているのだが、ここでは「あら、そんなとこに、いっぱいいるんだ」ってな感じ。まるでベラやスズメダイレベルなのだ。

 1本目ではやや小さ目の固体の大群が現れては去り、また現れると言った具合で、なんともすばらしい情景だ。2本目はやや大きめの固体がペアリング。どうやら「玉」を作るのは若魚らしく、成長すると「玉」がばらけて、黒い婚姻色なったオスとメスとがぴったり寄り添いあちらへこちらへと泳ぎ回るようだ。
 そのペアの数がまた半端ではない。100組ほどはいただろう。中には相手を見つけられずにウロウロしたり、カップルにちょっかいをだしたりと、魚の世界も人間とあまりかわりがない。と言うか人間も魚とたいした違いはないのかもしれないなぁ。ハタで見ているとあまり感心できなぞ。彼氏のいる可愛い女の子を見つけてもあんまり露骨に手を出すものじゃないよな。

 僕がこの粟国に初めて潜ったのは10年以上前のことだ。その頃僕はトロピコの客で最低週に1度はダイビングに出かけていた。そんなある凪の夏の日、
「特別料金で、少し離れた粟国と言う島に行くけどいい?」
とオーナーに聞かれたのがきっかけだ。
 実はその時、トロピコでも粟国に行くのは初めてだった。ガイドはもちろんオーナーの山本さん、サブに現在のNインストラクター、船は今では考えられないほど小さなクルーザー「730」通称「ナミオ」だ。それほどのスピードが出るわけもないのでどれくらいで着くのかもわからない。当時はダイビング=アドベンチャーと言う感覚が普通だったので、僕はワクワク、ドキドキでこのツアーに参加したものだ。

 その時の感動は今も忘れることができない。ギンガメアジの群を見たのも初めてだったし、カマスの巨大な群も現れた。潜る全員が初めての海に入るのは不思議な連帯感とアドベンチャラスな感覚を感じることができる、そこは遊園地のジェットコースターではなく、未知の激流に臨む川くだりなのだ。
 もっともこれは、経験に支えられた山本オーナーのガイドとNインストラクターがいたたからできたのだろう、安全に冒険ができる、と言えば語弊があるかもしれないが、あの時ツアーに参加したダイバーは確実に水中を冒険していたのだ。




 慶良間諸島に関しては、現在ファンダイバーが潜っているポイントはダイビングをする場所として確立されているのだが、トロピコが取り上げているポイントのいくつかは、スタッフが独自に開発した海だと言うことをご存知だろうか?
 ダイビングではどこのポイントがファンダイビングとして使えるか?これは重要な問題なのだ。スタッフは暇を見つけるとポイント探しに未知の海にもぐるのだ。事実トロピコが開発したポイントを他のダイビングショップが利用していることもあるらしい。  海は作られた動物園や植物園ではない。僕が幸福だったのはファンダイビング=アドベンチャーだった時代に沖縄の海を体験できたことだ。

 少し話がずれてしまったが、さらにずれてみよう。チービシの南方に「ルカン礁」というところがある。ここはほとんどファンダイビングで使われるポイントではない。なぜかと言うと、一般的に言って面白いとは言いがたい面があるのだ。ダラダラとした地形が続き変化に乏しい、2本も潜れば飽きてしまうかもしれない。しかし、僕にとってここの印象は非常に深いのだ。慶良間とは一味違う別の海なのだ。ここに入った時もおそらくは全員がはじめての海、「何があるのだろう?」「何が出てくるのだろう?」みんながそんな感覚で海に入ったのだ。

 実際、それほど大物が出たわけでもなく、珍しい魚がいたわけでもなかったのだが、海の中で感じたのは誰も来たことがない水中だ。スタッフが海に入り水底を確認しながら浅瀬に船を泊め、ルカンの灯台に上陸、みんなで記念写真を撮った。まるで未踏の山を征服した気分で帰ってきたのだ。あの感覚こそがコントロールドアドベンチャーだったのかもしれない。




 つい先日あるインストラクターと酒を飲む機会があった、20年以上の経験を持つ大御所のダイバーだ。
「ねぇ、喜屋武岬っておもしろかなぁ」
 喜屋武岬は沖縄本島南端、一度も入ったことのない海、断崖絶壁でビーチからのエントリーはほとんど無理。でもボートなら可能だ。
「おもしろいよぉ」
 おもしろいと言うのは何があるかわからないと言う意味だ。何もいないかもしれない、でもとんでもないモノが見られるかもしれないと言う意味で彼はいったのだ。
 遊園地のジェットコースターは「最高速90km、世界最速の興奮!180度回転が連続8回!」とその内容は乗る前でもわかる。しかし未知の海にパンフレットはないのだ。


 なんだかわけのわからないことを書いてしまったが、今日も沖縄の空は青く澄み渡り形の良い雲が出ている。慶良間の水中は果てしないほどの透明度。いくらなんでももうすぐ雨季のような雨が降るだろう。そうならないうちに、ウフバタキのサンゴでも見に行こうと思っている。



文・写真 流離のナイチャーダイバーF


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